ゼロ

るろうに剣心 最終章 The Beginningのゼロのレビュー・感想・評価

3.7
これで終わる、ここから始まる。

人気少年漫画・『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を実写化し、原作の「人誅編」をベースにした完結編『るろうに剣心 最終章 The Final』の二部作の二部作目であり、シリーズ五作目の本作。

副題にもある「The Beginning」とあるように、緋村剣心の始まりの物語です。なぜ、シリーズの最後に「エピソード0」の物語で締めたのは置いておくとして、非常に完成度の高い物語になっていました。

シリーズの弱みであったドラマとキャラクターの部分が、本作では克服されていました。それはおそらく原作では2巻分にも満たないエピソードを膨らませ、緋村剣心と雪代巴の二人の姿をメインに置いていたので、駆け足な展開ではなく、キャラクターを使い捨てることがなかったからだと思います。

本作の剣心は、人斬り抜刀斎であるため「新時代のため…」という正義を胸に、人を殺しまくります。桂小五郎役を高橋一生さんが演じていましたが、桂に少年がそそのかされて人斬りをしているようで、なかなか狂っている様子が伝わってきました。また新選組も登場し、幕末に剣心が活躍していたのだな…というのが伝わってきました。

本作のヒロインは、雪代巴で、 有村架純さんが演じていたのですが、美しかったです。キャラクターに合わせたのか普段よりも白く妖艶であり、無表情でありならも、剣心と向き合っていく演技は見事でした。

シリーズでは一番若い剣心の年齢を演じた佐藤健さんですが、ポニーテールもあるのか、若者らしい雰囲気がありました。また人斬りをしているので、目のギラギラ感もあったり、かといえば巴との暮らしで日常を楽しむ姿も観れたのは良かった。彼の心の揺れ動きも一緒に観ることができました。

アクションとしては、中盤の沖田総司と戦うところと終盤の辰巳との雪景色の中の死闘くらいなので、前作の「The Final」に比べると弱かったです。本シリーズに、アクションを求める人には、少し間延びした展開とアクションが減り、残念に思う人がいるかもしれません。

個人的にはアクションあり、ドラマがあり、キャラクターもありの本作が一番楽しめました。シリーズ最高傑作誕生に異論はありませんでした。
ゼロ

ゼロ