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17歳の瞳に映る世界のMのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.4
「男がクズばかりだった」という感想をちらほら見かけたけど、個人的には男ってそんなもんだろと思ってて。
全員がそうだと言いたいわけではないんだけど、帰属してるコミュニティや訪れる場所によっては「そういう輩に遭遇するだろうな…」と確信してしまえるくらいには結構いる。至るところにいる。
だからクズな男ばかり出てくる本作が過剰に設定を盛ってるようには感じず、割とリアルに不快感を覚えた。
しかも17歳。自分で何もかもを背負うにはまだ幼く、だからといって誰かに心を預けることも難しい年齢。
その中で、親の同意なしに中絶手術を受けられる州があることと、そこにいる大人たちがまともで頼りになりそうだったのが救いだった。(本来そうあるべきなのは前提で)

「Never / Rarely / Sometimes / Always」というタイトルが回収されるシーンは、想像してたけどやはり胸が苦しくなった。
婦人科に行くと、どうして泣けてしまうんだろうね。
どうして女性だけが目を伏せたくなるような事実や責任を突きつけられて、身体も含め負担を強いられるんだろう。
主人公オータムのことを何度も抱きしめたくなった。

あと心残りがあるとすれば、NYに行ったことがあればもう少し解像度高く見られたかなと。
お金のない中チャイナタウンのお店に寄ってたシーンが、等身大の17歳を垣間見れた気がして印象的だったので。

題材もシリアスだし淡々と進んでいく作品だけど、劇場内を見渡すと男性のほうが多いかな?ってくらい観に来てたのがよかった。
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