緑

どこへ出しても恥かしい人の緑のネタバレレビュー・内容・結末

どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

公開2日目にして観客は15人いるかいないか。
そもそもの知名度が低いから仕方ないとは理解しつつも
やはり淋しい気持ちになった。

「生まれたときから途方に暮れている」
「人生はなんでもない」
「(人生の)レール見たことあんのか」
等々パワーワードの多い映画。
映画というか友川カズキが発する言葉が強い。

FMラジオのゲストに中上健次というのも
個人的にはパワーワード。
中上健次とFMラジオのイメージの遠さ!

競輪と酒が好きで、
息子との交流にも競輪を絡める。
完全に穴党で負けばかり。
家賃分しか金がないところで競輪に行って増やしたエピソードは、
私にも競馬で同じ経験があるので親近感しかなかった。

なんだかんだと周りに人がいて陽気で茶目っ気がある。
音楽と絵画と競輪コラムが仕事。
金のためと言いつつ嫌なことはしていない。
決して家庭人には向かないタイプ。
でも私はこういう人が好きだし羨ましくも思う。
こういう人がいやすい世の中であってほしい。

パーティに出るといつも喧嘩になる。
いつも喧嘩になるということは自分が悪い。
だからパーティには行かない。
欠点に自覚があり対策を取れる人には好感が持てる。

区役所通りでバンの中で演奏するシーン、
是非とも出くわしたかった!
なんで新宿? と思ったがゴールデン街が出てきて納得。
しかしバンからゴールデン街の間に挟んだ
区役所通りから職安通り、
スカウト通りから新宿東口の映像は必要だったか疑問が残る。

ちょいちょい出てくるテロップは全て白抜き。
文字がかかる場所が白っぽいところに
白抜きテロップで読めない箇所あり。
色を変えるか黒縁を濃くするか、
観客に気遣ってほしいところである。

ラストが余韻なくブツ切りだったのは何か意図があってのことか。
切り上げられた感があった。

友川のライヴに行きたいと思いつつ数年が経っている。
この映画でその気持ちが強くなったので今年こそは。
緑