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ほんとうのピノッキオのmegusukeのレビュー・感想・評価

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)
4.2
色々と腑に落ちるピノッキオ映画

自分はずっと疑問だった、絵本や某アニメ映画では、通りに面した角の区画に店を構え、身なりや調度品から暮らしぶりは(独身というのもあるかもしれないが)豊かな方。子供達にわくわくするおもちゃを作り続ける「善良な」ゼペット爺さんは、ピノキオをあんな○ガキにしてしまったのか?

この作品は、そこら辺の凝り固まった設定もしっかり見つめ直して、原作のダークさに寄った世界観で構築されている

設定で特にいいなと思ったのは、ゼペット爺さんの生活力の無さ。仕事の無い大工で、その日暮らし以下の生活をしている独身。身なりも何年も着回し色褪せたものを着用しており、ヨレヨレでサイズも合ってない、髪や髭、身なりを整える余裕も無いという、今まで見てきた爺さんと真逆のタイプ!
そんな御仁が子供とまともに暮らせるか?
となると…色々問題がでますわな。育てる余裕もないやろうし
と、ピノキオの生い立ちに物凄く説得力が出てて、物語への没入感が増してると感じた。住んでる町も、19世紀イギリスっぽいレンガ造りな町じゃなくて、南欧の寂れた田舎街って感じの、煤けた白やグレーが基調に石造りっぽい所になってるのも世界観に合ってる。

その他、キノピオ君役の子がハマり役。見た目は勿論、抜群に声が良い!!
澄んだ甲高い声色をしていて、純真無垢さが強調される。これでいい子だったら天使!ってなるんだけど、わんぱくな言動をする時、一段と高い声で喚くのが本当に耳障りで(笑)声だけでクソガキ感が10倍増しぐらいしてる。話知ってるのに、途中で何回「こんのガキゃー…」と思ったか知れない。

その他、予告で話題になってた美術面等も、見応え十分!パンフレット欲しかったけど絶賛売り切れで悲しかった。
Disneyロバート・ゼメキス実写版との違いを楽しんでは如何でしょうか?
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