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世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカのKUBOのレビュー・感想・評価

3.6
ずっと気になってたウルグアイのムヒカ大統領の映画をWOWOWで放送してくれたので鑑賞。

確かにこの人は魅力あるわ。

クマちゃんみたいな愛くるしいルックスで、ブルーの旧型ビートルを自分で運転してどこまでも行っちゃう。

「人生も終盤だ。もうお金は必要ない。十分に足りている。」

大統領の給料の7割を使って、極貧民層のための住宅を作ったり、農業学校を建設したり、やることが身近で具体的な救済活動。

「大統領の存在が君主制に似てしまうんだ。レッドカーペットを敷いたりね。共和国では違うべきだ。大勢の国民に選ばれたなら、国民と同じ暮らしをすべきだ。特権層じゃなくてね。」

「政治の世界で探すべきは、大きな心と小さな財布の人物です。」

どこぞ利権のワカメちゃんばかり食ってる金満政治家に聞かせてやりたいお言葉だ。

「大統領として成功した要因は、人に伝える力。わかりやすい言葉遣い。そして献身ぶりや信念に従った生き方。これらのおかげで、大統領として成功を収めたのよ。」

これは夫人がムヒカ大統領を評して言った言葉だが、これも原稿棒読みの日本の政治家に聞かせてやりたい言葉だ。語る言葉を持たぬ政治家など要らない。

このムヒカ大統領と奥さんの歳の取り方が素敵だ。2人が少しずつ歳を重ねていく映像があるが、アメリカンニューシネマに出てきそうなルックスの革命家時代から、いい感じに渋くなってく中年時代、2人ともふっくら可愛く歳をとった現在まで、同志もたくさん死んでいったのだろうし、牢獄暮らしも長く、辛く苦しい人生だったとは思うのだが、こんな風に歳を重ねられたらな〜と思えるような、本当に素敵なカップルだ。

志した初心を忘れてしまっている日本の政治家たちに、ぜひ見てもらいたい。世界にはこんな清貧な大統領もいるのだから。
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