このレビューはネタバレを含みます
こんな映画を作ってくれてありがとう。世界の現状を教えてくれてありがとう。
ウルグアイはサッカー好きなのでどんな国か知っていると思っていたが、独裁政権や内戦での苦しみなど何も知らなかたった。それはブラジルの歴史も同様。多くの南米政権と同じく独裁政権があり、それを支持する米国の介入があり、貧富の分断が深まる。1960年代、70年代に若者中心とした政府との闘争がある。その中で投獄され、拷問を耐えて来た者たちが軍事独裁倒れた後の政治家、首長になっていく。ブラジルもウルグアイも同じ。
このウルグアイのムヒカだが、愛嬌があり、言葉にウィットがある。政治闘争した中で、激しい言葉ではなく、やさしくわかりやすい言葉で深遠な言葉や哲学を伝えて行く。まさに政治家だ。そしてお金や権力に左右されない確固たるビジョン、信念を持っている。
奥さんとの革命闘争時代からの今にまで続く関係は素晴らしいものがあり、頭が下がる。
タンゴだと思うが、映画の中でも流れたり、最後のシーンで酒場で流れる音楽は魂を揺さぶるような素晴らしさがある。