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もぐらのminamiのレビュー・感想・評価

もぐら(2018年製作の映画)
3.0
テアトル新宿の「田辺・弁慶映画祭セレクション2020」で『空はどこにある』と併映しているときに鑑賞。
なので、どうしても2本セットで考えてしまうのだけど、いずれも食べ物がとても特徴的なのが印象に残っている。

こちらの作品では割ったおせんべいをお米と混ぜ合わせておにぎりにするのだけど、どこか子どもめいた食べ合わせに、もしかしたら幼いころに食事が苦手でお母さんが工夫してくれたメニューなのかな、なんてことも考えてしまう。

私がまさしく食べるのが苦手な子どもだったのだけど、大人になってわかったのは、食べるということは生きることと同義なので、決して心から楽しめていない今の状況下でも毎日自分でおにぎりを作ってしっかり食べるということを繰り返している主人公には尊敬の念を抱かざるをえない。

目的地もないまま生き続けるのは想像するに容易くない。
死なないことはだれにだってできるけど、生きることは自分の意思がないとできないから、どうしても主人公の未来には明るい光を期待してしまう。
いや、感じている。
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