りょう

生きちゃったのりょうのレビュー・感想・評価

生きちゃった(2020年製作の映画)
3.9
観ちゃった。

「〜ちゃった」ってこんなはずじゃ、とか意図せずっていう含みがあるけど、「生きちゃった」っていうのは、どういうことだろう。いままでこんな風に生きちゃったから、これからは!って言う前向きなイメージなのか、周りの人が亡くなったり、不幸になっていく中、まだ自分は生きちゃってるみたいなことなのか。

大切な人に本音を言えないってことはよく分かる。言えないと言うか、言わないというか。自分の場合は、これを言ったら、こう思うだろうから言わないでおこうとか、こう言っておこうとか、勝手に反応を推測して言わなかったり、本音とは違うこと言ってみたり。つまり、ちょっと相手のせいにしようとしているのだな。

婚約を破棄してまで奈津美と一緒にいることを選んだ、それこそ自分の本音に従って生きてきたはずなのに、「本当のことは今まで言えた試しがないから」ってなんでなってしまったのか、そこのあたりは語られないから、ちょっと不思議。元婚約者を家に入れてしまったことがやっぱり相当負い目になってたんだろうな。

言わなくてもわかる、なんてことはなかなか難しくて、言葉にしなきゃ分からないってよく言われるけど、やっぱりそうだし、でも言葉にできないからみんなお互いのことよく分からなくて悩むんだろうな。

奈津美の視点からすると、婚約破棄してまで自分を選んでくれた夫、でも愛情表現はなかなかしてくれないし、元婚約者を勝手に家に入れてる…それでも本音も言わないし…寂しい…から浮気しても仕方ない、養育費は振り込んでよねってかなり身勝手。厚久のなんも言わないところが原因であることには間違いないが、奈津美も努力したんか?ってなった。結構、削ぎ落とされたストーリーなので実際のところ分からんが。

英語なら本音を言えそうな気がするっていうのは、英語だとなんか急に自分ではない何者かになって話せる感じがするからなのかな。たしかに愛してるって真剣に言うの勇気いるけどアイラブユーなら言えてしまいそう。

最後のシーンはやっぱり迫力あった。さすが太賀と若葉竜也!観てるこっちもかなり気が昂ぶった!娘に本音言えたかな。それとも言えなかったかな。その姿を見届けるからって後押ししつつも、実際には見れないって言って伏せてしまう武田、本当にいいやつ。こんなにも友達思いの人見たことない。

ところで厚久と武田はどんな会社立ち上げようとしてたのだろう…英語や中国語を習って。あと英語習ってる時なんで、あんな薄暗いところでやってるんだろうって思った笑

そういえば、「コントがはじまる」の芳根京子も奈津美だったな。
りょう

りょう