ハレルヤ

ファヒム パリが見た奇跡のハレルヤのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
3.8
バングラデシュのダッカで暮らしていた少年のファヒム。政治難民としてフランスのパリへ逃れて、チェスの才能を活かしフランスのチャンピオンを目指す実話を基にしたヒューマンドラマ。

政変が続く動乱のバングラデシュ。父親が反政府運動をしていた事と、自らもチェスの大会で有名になっていた事もあり、身の危険に晒される日々だったファヒム。父と共にフランスへ逃げるも、言葉も通じず、まさに明日を生きるのも必死な状況。

そんな中、赤十字に保護されて難民収容所で暮らすことに。この前半あたりの場面だけでもバングラデシュの国内情勢やファヒムのような難民の立場の辛さを克明に表しています。

そこから優秀なチェス指導者のシルヴァンとの出会いで運命は大きく回る。チェスの特訓を通じてのシルヴァンとの絆を育み、チェスだけでなくフランス語も習得しようと勉強するファヒムの姿勢には努力の大切さを改めて感じさせてくれます。

ファヒムはチェスのチャンピオンになる夢を。父親は難民認定を取得するために奔走。一歩間違えたら強制送還という事態になるので、それを避けるため、親子ともに懸命に夢を勝ち取ろうとする姿には胸が熱くなりました。

特にチェスに詳しくなくても社会派ドラマとしての面が強く出ているので問題ありません。なかなかの見応えある作品。お勧めです。
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