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サイコビッチのakrutmのレビュー・感想・評価

サイコビッチ(2019年製作の映画)
4.0
クロスカントリースキー部で優等生のマリウスと過去に自殺未遂の経験があるちょっと変わった女の子フリーダの不器用な関係を描いた、マルティン・ルンド監督の青春映画。

青春映画と言ってもノルウェーの冬が舞台なので全体的に暗めの映像であるが、周囲から変人扱いされているフリーダに振り回されながらも、フリーダの自由な言動に接していくうちに、学校や家族という枠の中で優等生として(意図的にではなく何も疑わずに)振る舞っていたマリウスの内面が少しずつ変わっていく(ある意味では大人になっていく)様子や、その過程を通じて彼女を好きになっていくマリウスの心情がじっくりと描かれていて、普通の青春映画とはひと味違う良作だった。

それにしても、サイコビッチって言うほどフリーダは変人ではないので、ちょっとタイトルから受ける印象とは違う。それよりも、男子が大勢いる前で堂々とマリウスに「なんでレアとセックスしないの?」と問いつめるレアの友人のほうがぶっ飛んでるような気がする。しかも、バスルームだったからと苦しい言い訳をするマリウスに対して「それのどこが問題なの」って、どっちがビッチだよ。

フリーダを演じたエリ・リアノン・ミュラー・オズボーンもキュートだったが、レア役のSaara Sipila-Kristoffersenも大人っぽい感じがグッド。
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