桃子

ビリー・ザ・キッド 幻のガンマンの桃子のレビュー・感想・評価

1.0
「煙の中の銃撃戦」

本気なのかテキトーなのか、よくわからない西部劇である。最初の1分で、マジで見るのをやめようと思った。でも、途中で見るのを放棄した映画は、今までに1本もないのが私の自慢(笑)。何がヘタレ映画なのか見極めようと頑張ってラストまで鑑賞した。
超がつくほどの低予算映画であることがわかる。ロケ地はいくつかあるようだが、近場を選んだのだろう。建物はたしかにレトロ感はあるけれど、とても西部開拓時代のものとは思えない小綺麗さである。玄関の前にコンクリートの階段とか鉄の柵があり、室内にはコンセントがちらっと見える。酒場の向かい側には電信柱と電線が写りこんでいる。デジタルで撮っているなら、パソコンで画像処理できるはずなのに、それをしていないのは故意なのかなあ。
ロングショットは風景のみで、馬に乗って走る人物の遠景など皆無。室内の会話のシーンがほとんどで、メリハリが全くない。
致命的なのは、ストーリーがなんだかよくわからないことだ。主人公がビリー・ザ・キッドだというのはわかるけれど、彼より脇役たちのほうが目立っている。特に片目に眼帯をしている酒場のマダムは迫力満点!彼女はどうやらプロデューサーも兼ねているようだ。
淀川さんにならって、どこかいい点を見つけることにした。低予算ながら、監督がこだわっている所が垣間見えたのは、銃を撃った後にもうもうとあがる硝煙と、銃で撃たれた人物が流す血糊だった。ちょっとしたリアリティーを追求したかったのかもしれない。特に硝煙は、なるほどなあと思った。当時の銃器に使われていた火薬は黒色火薬なので、臭いも白煙もすさまじかったらしい。煙のたちこめる中で銃撃戦をしていたらしいのだ。だからなかなか命中しなかったのかも…(^_^;)
これも“誰かの5点は誰かの1点”映画と言えるかもしれない。アマプラの評価欄を見たら、5点満点をつけている方がいらっしゃった。おそらくツボにはまったのだろう。私は申し訳ないけれど、1点以上はつけられなかった。やっぱり西部劇に電線が出て来たらテンションさがっちゃいますよぉ(T_T)
桃子

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