けんけん3号

罪と女王のけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

罪と女王(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

パールさんのレビューを観て、ラジオで紹介されてた観たかったやつだー!ってなって鑑賞。なかなか肝のすわったおぞましい女の話だった。内容がハードだったので、不謹慎かもしれないがけっこう物語に引き込まれてしまった。この後どうなるか、好奇心が止まらなかった。弁護士という地位と名誉を手にした女が、性欲に呑み込まれていく様はなかなか気持ちが悪かったが、弁護士という地位にあると、そういう感覚も含めて、自身は特別と思っているのだろう。特にプライドが高い。それ故に義理の息子との関係がバレそうになると掌返しで嘘を並べて保身に走る。そこは人間の汚い部分が遠慮なく出ていて恐ろしい。まぁ、全てを失うことになりかねないんだから仕方ないかな。美しい娘たちが住む家で淫行する母親、美しい自然の景色と、義理の息子の純愛。かたや母親の性欲。優しい夫、その夫とのベッドでの性欲オバケの妻のビンタなど、義理の息子の死で涙する女、このアンバランスさが、観る者を妙な感覚にさせる脚本は秀逸。この作品は性を絡めて淫行まがいなことを描いているから、観客は自分には当てはめないだろうが、人間、全てを失うような窮地に陥ったらどうなるか分からないよ~。火遊びのつもりが相手はそうじゃない、最後は最悪の結末、よくある話な気もするし…。そんなことまで考えてしまった。そこも含んでるんだろうなぁ~。ラストも主人公の女が精神的に苦しむであろう、4人の家族が迎えるこれからの不穏を表していて印象的だった。内容が内容なだけに万人にオススメは出来ないが、個人的にはかなり見応えのある作品だった。