このレビューはネタバレを含みます
なんかデル・トロみたいだったな。というよりデル・トロがカフカの影響下にあるんだろう。デル・トロがカフカみたい、という方が正しい。カフカ作品の映像化って実は結構センスが必要なのだと思うのだけど、この映画はその点では及第点でカフカファンが燃えることはなさそう。ボヤが出るとしたら虫の造型の解釈違いくらいかな？主張しすぎずに『100分de名著』の資料映像にちょうど良さげな雰囲気。
ただ私はですね、序盤でなんか聞いたことある曲だな、これなんだっけな？とすかさずアプリ立ち上げてお伺い立てたらマーラーの交響曲1番『巨人』だったらしくて、ああ！ああ！確かに金管とかオーケストレーションはマーラーっぽいわ！なるほどな、とスッキリしつつも、なんでこんなところでマーラー1番？『巨人』？なんか使う必要性ある？こういうのはマーラーだったら『アダージェット』使いがちじゃない？もしかして序盤で1番だからこの後どこかで、恐らくクライマックスからラストにかけて『アダージェット』かマラ9来る？と思ってたの。そしたらまさにクライマックスからラストにかけて『アダージェット』が来た！来た！来た！満を持しての登場です！結果としてラストに『アダージェット』が来る、と完璧に答えを出した私は今グレゴール・ザムザの命と引き換えに謎の充足感に包まれて寝転がってる。
