ベイビー

カフカ「変身」のベイビーのレビュー・感想・評価

カフカ「変身」(2019年製作の映画)
2.0
あ、カフカの「変身」が映像化されたのか…

と思い観てみた作品。小説は随分昔に読んだのですが、主人公が朝起きたら虫の姿になっていた。という冒頭だけしか覚えていなく、どんな結末だったのか忘れてしまったので、気になって今作を試聴してみました。

率直な感想は微妙。微妙というより「なんじゃコレ?」のクレーム案件ですよ。作品について言いたいことは山ほどあるのですが、一番言いたいのは、主人公が変身した虫のクオリティの低さです。

正直ジャケットみたいなクオリティの"虫"を想像してたんです。だって当然じゃないですか。ジャケ以外の姿の"虫"が現れるなんて夢にも思わないですよ。

そもそもジャケのキービジュアルは何なんですか? 「ザ・フライ」から借りてきたんですか? あのハエ、本編とは全く関係ない写真じゃないですか。詐欺ですよ詐欺。

そのくせ最初は勿体ぶってなかなか姿を見せず、溜めに溜めて出てきた姿がCG感丸出しのとてもチープなお姿…

全身はワラジ虫というかゴキブリみたいなのですが、目だけが「テラフォーマーズ」の進化したゴキブリのようにパッチリ大きく、どことなく愛嬌を醸し出す顔面に作られてるんですよ。その中途半端が余計気持ちが悪いわ!

一応ビジュアル貼っておきます。ネタバレになると思うので、気になる方だけどうぞ…

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn%3AANd9GcRZDlGzoUuHnl6Qh6ywEBONntQQrRj-9CrwjYyP8HvysoE05Qbk&usqp=CAU

この作品って"虫"のディテールが肝だと思うんです。僕の中ではもっとグロキモの造形美みたいなものが欲しかったんです。「裸のランチ」とか「遊星からの物体X」とか、そんな造形美を感じながら、カフカが伝えようとした文学的な部分にも触れてみたかったんです…

なのに物語も大半がナレーションでの説明。したがって絵面も単調で面白味に欠けます。ですから僕はこの約110分の間で3回寝落ちしてしまいました。

この作品を観ての収穫は、"作品の結末を思い出せた"という一点のみです。残念…
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