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ガーディアン24のnoteのネタバレレビュー・内容・結末

ガーディアン24(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

スーパーで警備員として働くワルテルは体はデカいが温厚な好人物で、愛する妻と平穏な日々を送っていたが、ある日、強盗団が深夜スーパーに侵入する。その目的は隣接する宝石店で強盗を働くため。特別警報が鳴り、呼び出されたワルテルはスーパーに向かう。説得も虚しく強盗団に倉庫に閉じ込められてしまうのだが…。

「フランス映画初登場1位のスマッシュヒット! 」のキャッチコピーに惹かれて鑑賞。
中身は明らかにデンゼル・ワシントン主演のアメリカ映画「イコライザー」のパロディ。
「舐めてた相手が実は…」な話だが、本作では誰も死なない(笑)。
安心安全なアクション・コメディの佳作である。

抵抗もしないワルテルになんら警戒をしなかった強盗団。
だが、1人がワルテルの携帯を使って、愛する妻に(エッチな)ちょっかいを出したことを知るや、ワルテルは態度を一変して反撃に出る。
ネットで調べてみると、ワルテルはアフリカの戦争で伝説の最強兵士だった!

温厚だが元最強兵士の警備員 VS 強盗団。
スーパーに侵入した強盗団が対峙した警備員は、かつて戦場で恐れられた最強兵士だった!
ワルテルはそこにある商品を武器に変え、スーパーは戦場と化す! …と言う話。

普通なら、死体がゴロゴロ出そうな話だが、ワルテルは妻と「もう人は殺さない」という約束をしているため、やられたことに対して地味に「倍返し」していくのが笑える。
スーパーにある商品を駆使して、強盗団を懲らしめていくワルテル。
モニター室にいた者を脅して、彼の恋人に電話させ「体目当てだ」と悪態をつかせ、無理やり別れさせる。
妻への侮辱の仕返しである。
あまりの精神的ショックに男は再起不能に。

ワルテルに物を投げつけ、スタンガンを押し付けた2人には、ジャガイモをひもで投石器のようにぶん投げて、痛みに悶絶したところで消火栓から水責め。
さらに濡れた身体に電気を流して感電させる。

「もう、たまらん。逃げようぜ」と強盗団は根性のないヘタレな若者ばかり。
アホな強盗団がバタバタ騒いでる下りがやたら長いのが難点だが、それはそれで彼らの度を越したアホっぷりが愉快。
どこか憎めない強盗団だ。

夫の帰りが遅いのを心配してやって来たワルテルの妻を、止せばいいのに人質に取る一味。
妻に銃を向けたことにブチギレたワルテルが、自作の火炎放射器を手に追ってくるシーンなどはちょっとしたホラー映画のモンスター。
(一体、誰が火災の弁償をするんだ?そこまでしなくても倒せるだろう?とツッコミたくなる)

そんな両者のギャップが笑える。
最後に火災警報でやってきた警察に捕まった強盗団は、社会奉仕にワルテルのスーパーに勤務することになり、ワルテルの指導の下で更生していくことになる。
メデタシ、メデタシ。

シリアスな作品とは程遠い本作だが、ここまで明らかなパロディは潔いし、気持ち良い。
愛する妻を侮辱されて怒りに震えるとは、最強兵士とはいえ、何と庶民的なことか。
妻との約束を守り「殺してはいない」という姿は忠実な大型犬のようで可愛らしい。
きっと家庭では妻の方がヒエラルキーの上位だ。
強い女性の映画ばかりが製作される近年、今や強い男性の存在価値は、仕事と家庭を守ることくらいか。
そんなことを思ってしまう。
気楽に見れる微笑ましいB級作品である。
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