kissenger800

シークレット・ジョブのkissenger800のレビュー・感想・評価

シークレット・ジョブ(2019年製作の映画)
-
『楽園の夜』(2019)のチョン・ヨビンが良かったのでつい……あと俺ハン・イェリも好きだしな。みたいな出演者ドリブン視聴、つまりハードル低かったせいもあってそんなには悪くはなかったけどね、というのが総合的な感想です。
前半の脚本は誰もがあーはいはいそういう話ね。って認識する「設定」部分なわけで、そこから先をどうヒネるのか、が見どころなんですよね、こういうの。
トンデモに持っていくでもなく、既存のテンプレでよしとするでもなく、なんとか新味をひねり出そうとした努力は買えると思いました。「そう来るか!」みたいな劇的な展開はまるでなかったけど。

韓国の財閥系企業のCSR戦略が一種の免罪符になっていることとか、それがローファームと結託している点では実にアメリカナイズされてるよなー。ってこととか、(韓国の動物園とカナダの保護施設の連携のような)日常の延長に海外機関との取引があるサプライチェーンのグローバル化がふつうに描かれることとか、邦画がこのレベルのグローバル社会描写をクリアできるまでには5年はかかりそう。っていうのは、韓国「映画」が優れているという以上に、日本「社会」が国際的な流れから取り残されているって意味でしかなく、なんで俺はそんな面倒なことを考えることになるのか。みたいな、本線ではないところでの感想が忙しい作品でした。
kissenger800

kissenger800