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シークレット・ジョブのTAMUのレビュー・感想・評価

シークレット・ジョブ(2019年製作の映画)
3.4
原題『害は無い』。邦題『シークレットジョブ』は動員1,600万超えの『エクストリームジョブ』にあやかったのかも?
本国でも、『エクストリームジョブ』の翌年同時期に公開され、旧正月映画、秘密の裏稼業と共通点はあるが、動員120万と圧倒的な差で終わった本作。

前者が悪を陥れるために、嫌々秘密の善行を働くところが上がるポイントとなるのだが、本作は良かれと思って、嫌々悪事に手を染める。
これ自体、韓国ノワールの王道だったりするのだが、本作はコメディ。

善良な市民を騙して儲けようとすることに、どうしても共感できず、ついでに笑えない。
そこら辺がイマイチ興収としても上がらなかった要因か。

とは言え、韓国コメディ界を1人で背負ってる感の出てきたアン・ジェホンあっての本作。
アン・ジェホンの親しみやすそうな人柄が滲み出ていて、喜怒哀楽の表情と演技を見てるだけで、なんとか最後まで見られるのは凄い。

あと、ゴリラ役のキム・ソンオ。キム・ソンオのフィルモグラフィー上、最も良いやつ。もっともコメディから遠い俳優と思ってただけにテンションは上がる。『アジョシ』のイカれた弟役が脳裏にインプットされてるので、ブチギレたら殺すんじゃないか、とハラハラドキドキw

カン・ソラは獣医と言ってるだけの獣医になってしまい、もう少し獣医としてのシーンがあって然るべき。よく見る根は優しいが気の強いカン・ソラ止まり。

一番良かったのは特別出演?の楽園グループ役員ハン・イェリ。財閥一家のような金持ちエリートとして見たのは初めてかも。新鮮だし、カッコいい♡

まぁ正月映画として家族みんなで楽しめる作品を狙ったのだろうが、動物園という割には、飼育員たちの普段の動物たちを飼育する描写や、動物飼育あるあるが描かれず、製作陣は大して動物に興味が無いと思われるところが残念。
見られるのは着ぐるみを被った動物とCGガチガチの動物で、正直、なんとも言えない気持ちになる。
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