【彼岸花の咲く頃に…】
光と風と野山と人とキツネ…
そして里に咲く満開の彼岸花。
全てが美しく、静かに、静かに。
そして紡がれる優しい想いと、決して交わることのない悲しい感情。
子供の頃に触れたはずの物語だったのに、改めて人形劇で観るとまた新鮮な感じがした。
この作品は全編木彫りの人形を使ったストップモーションアニメ。
登場するキャラクターたちの滑らかな動作はもちろん、キツネの毛が風になびく様子や、夕日や月明かりの優しい色合い、びっしりと群生する彼岸花の美しさなど、本当に細部まで繊細に作り込まれていることがよく分かる。
そのうえで。
キツネのごんをあえて擬人化することで、兵十に対する様々な感情の揺れ動きがとても活き活きと描かれていた。
特に、イタズラの詫びとして兵十に栗や松茸やあけびをこっそりと届けながらも、どこかで自分の存在に気付いても欲しいっていう稚さも滲み出ていて、そんなドキドキした気持ちがこっちにまで伝わって来るようだった😊
…でも。
やっぱりそうなんだよね😢
真実を知らない兵十にとって、ごんは「いたずら好きな子狐」なんだもんね…。
「…お前だったのか」
結末はわかっていたけど、やっぱり切なくて泣いてしまった😢
人と獣は言葉で通じ合うことは出来ないかもしれないけど、どっちにも「気持ち」ってやっぱりあるんですよね。
以前飼っていたバンビ(🐶♀)もイタズラして怒られたあとは(シュ〜ン…😞)って顔して、僕が許して頭を撫でてくれるまで、付かず離れずの距離でずっと僕の近くにいたっけ。
ふつう、がっつり怒られたら怖くてどっかに行ってしまいそうなもんだけど。
でも、そん時は不思議なもんで(ごめんなさい…😢)って謝っているような気もしたんですよね…親バカ(…いや飼い主バカ?)かもしれんけど😅
いや、そう感じてあげることが大切なんじゃないかな。
咲き誇る彼岸花の中を一人寂しく歩く姿や、夕焼けに照らされた坂道を飛び跳ねながら全身で喜ぶ姿。
動物だって「ありがとう」も「ごめんなさい」もわかっている。
僕はそう信じている。
30分弱の優しいショートフィルム。
久しぶりに気持ちが温かくなったような気がしました✨
もう一回観たいけど、どこかで配信してくれないかな…