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妖婆の家のhorahukiのレビュー・感想・評価

妖婆の家(1966年製作の映画)
3.7
イカれてるのは誰??

子ども「婆が悪人!」婆「子どもが悪人!」さあ嘘をついてるのはどっち?な老婆ホラーと子どもホラーの合わせ技!婆役は『何がジェーンに起ったか?』『ふるえて眠れ』『誰が私を殺したか?』の怖い婆役の重鎮ベティデイヴィスお婆ちゃん。今回も怖さを発揮しつつもキッズも負けてない!

というよりキッズのクソガキ具合が度を越しててイライラがマッハ!だんだん笑えてくるレベル!🤣婆vs婆の流れでジョーンクロフォード、オリヴィアデハビランド、そして自分とも戦ってきたデイビスお婆ちゃんが今度はvsキッズというのが堪んない!!数年前に幼い妹が浴槽で溺死→一緒に遊んでた兄が疑われそのまま精神病院へ→退院するところから物語がスタート。

息子が怖くて「帰ってきて欲しくない」と泣き崩れるママ、大丈夫だよと慰めるパパと乳母(ベティお婆ちゃん)。退院直前に首吊り自殺を装うキッズのイカれっぷりに「あの子の中には悪魔がいる」と呟く医者。じゃあ退院させんなよって感じだけど、「退院出来たってことはもう治ったはず」と安心するパパにダメだこりゃ感…😅

帰ってくるなり、案の定ベティ婆の飯なんて食えるか!と反抗し、婆を殺そうと色々と探りを入れていく。植木鉢落として配達員にぶつけようとしたり、べティ婆の薬箱から強めの薬を盗んで母親の食べ物に盛ったりと暴れ放題…😱

露骨に盛り上げていくキッズの悪性に対して、デイビス側は静かに盛り上げていく。まるで水面下で牛耳っているかのような家族への異常なまでの侵食具合を観客に意識づけを重ねていく。奥様にとっての精神的な母親の地位も獲得していて、何かあっても何とでもなる状況っていう危うさが漂ってる。デイビスおばあちゃんと比べると相対的に見て奥様も家の中では子どものように頼りがいがなく、唯一牙を剥けるのがキッズのみ。

セスホルト×ジミーサングスターという信頼できるハマーコンビの時点で面白さ保証みたいなもんだし、シンメトリーな建物の外観とその安定を崩すものとして車が配置された冒頭ですでに冴えわたっているし、ワンカットで見せるデイビス帰宅ルーティンの中で写真を含めてしっかりと浮かび上がる家族の違和感も素晴らしい。まるで別空間のような状態からデイビスが家族と普通に合流するシーンにすら違和感を植え付けるというさりげなく手堅い演出がずっと続いていて楽しい!
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