なかを

わがままなヴァカンスのなかをのレビュー・感想・評価

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)
3.2
2020-59

オチはないし、面白いかと問われればいや別に、て感じだけどなぜだか観て良かったなと思える作品だった。

16歳の少女が大人ぶる姿はどこかズレていて危なっかしくて、でも健気で目が離せない。彼女から見た従姉妹もすごく大人びてはいるけど、やっぱり背伸びしているだけできっと心から楽しんでいる訳では無いんだろうなぁ。

今までこういう話にオチがないというか、セリフが少なくて間が多い作品苦手だったけど、多分こういう作品は肩の力を抜いてリラックスしながら観るくらいがちょうどいいんだろうな〜、カンヌ行きてぇ〜とかクルーザー乗りて〜とか考えながら観てたら結構楽しかった。

駿台の現代文の先生が「フィクションの描写に偶然はない」って言ってて、それを「無意味な描写は無い」ってことだと捉えてたんだけど、必ずしもそうでもなくて大事な描写を際立たせるための「間」としての描写それ自体に意味はなくてもとても大事で味わい深いものなんだなぁということに今更気づいた。これからはもっと色んな映画を楽しめる気がする。

これ出てる女優さんたちが紛うことなき美女とかだったら多分同じようには観られないんだろうな、ただのエロ動画として扱ってしまっていた気がする。
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