くさむすび

わがままなヴァカンスのくさむすびのレビュー・感想・評価

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)
3.0
母を亡くし孤独を埋めるようにして男を誘惑するソフィアと彼女についていく従姉妹のネイマの女性二人の一緒に心は通じ合っているようで通じ合っていなかった、似ているようで実は対照的だった二人のすれ違いを描くのに秀でてる作品だった。二人が違う人間であるのは時計を買おうとしているシーンでも明白で、似合うものを買おうとするネイマととにかく高ければ良いというソフィアの価値観の違い、見ているものの目線が違うというのもあってラストにかけての展開も納得できる。けれどもその一方で、心情の揺らぎというものはやけに淡白に描かれているため観客の感情は乗ってこない。最序盤に「生涯においてで最も大切なものは職業の選択である。しかし、偶然によってそれは決まる。」というパスカルの名言がテロップ出てくるのだけど、この台詞を映画化したんじゃないかと思うほどぴったりのこの名言。女優を目指す彼女が、刺激的な夏を経験して何を選ぶのか。登場人物は皆自己が強いキャラクターばかりで自分らしさを貫く事が大事なのかなとも思える。
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