かじドゥンドゥン

グレイス -消えゆく幸せ-のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

3.0
夫の浮気現場を目撃し離婚して以来、新しい恋に踏み出せず、銀行員として慎ましく孤独に生きてきた中年の黒人女性グレイス。しかし彼女は、友人サラから紹介された年下の写真家にたちまち魅了されると、彼からの猛アプローチを受けて結婚、勇気を出して彼を信じることにした。

ところが、結婚後に夫が激変。自宅に女を連れ込むどころか、グレイスのIDで銀行の金を横領、彼女の家を抵当に借金までしていた。愕然としたグレイスは、悪びれる様子もない夫を怒りにまかせてバットで撲殺し、逃走。すぐに逮捕される。

よくある殺人事件として処理されるべきこの案件を任されたのは、新米女性弁護士。彼女は、グレイス本人や周辺人物の話を聞くうちに、グレイスの温厚な性格と、夫のひどい悪行、そして遺体が見つかっていないという不可解な事実から、グレイスを無罪にできると信じ始め、ついには弁護士事務所の上司に逆らい、グレイスを説得して、裁判に持ち込む。裁判をせず罪を認めるならば、息子の住まいに近い刑務所で終身刑にするという司法取引が成立しかかった矢先での、リスキーな法廷闘争。

実は裁判経験の少ない女弁護士は、完全に作戦を誤り、法廷侮辱罪で退廷を命じられるという大失態までおかして、裁判に大敗。事務所もクビになり、これでキャリアも終わったと思われた・・・。

しかし、実は夫が生きていて、しかも夫と友人サラとは悪徳母子で、多くの詐欺と老人監禁に手を染めてきたことが判明。結果、グレイスの殺人罪は帳消しになり、グレイスも女弁護士も名誉を回復される。