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願いのカクテルのkuuのレビュー・感想・評価

願いのカクテル(2019年製作の映画)
3.9
『願いのカクテル』
製作年2019年。上映時間17分33秒。

妻を亡くした男、穂積。
行きつけの居酒屋で知り合った近藤夫婦は、ホッピー(ビールテイストの飲料)に願いを唱えて飲み始める。
それに興味をもった穂積も夫婦に勧められ、 願いを唱えることに。

『もう一度、妻に会えますように。。。』

主演が國村隼なんですが、私的ながらネトフリ・ドラマ『全裸監督2』、
WOWOWドラマ『さまよう刃』とタイムリーで出演されてるの観てきたけど、また違う顔が観れたなぁって感じました。

人は生きていたら必ず身近な人との死別はやってきます。
それは、長い大病の結果訪れる死別もあれば、突然やってくる死別もある。
私事で書くなら唯一の理解者の祖母は小生が13歳で亡くなり、14歳で同級生が、16歳で親友が、17歳で友が、18歳で幼馴染みが立て続けに亡くなった。
馬車馬のように働いてた両親も早くに逝ってしまった。
死別の悲しみを隠し、周囲に気を遣わせないように明るく振る舞う人(今作品の主人公のような方)もいますし、無気力になる人も、はたまた小生は怒りを露にして毒を振り撒くいた。。。少ないかなこんな人は。
でも、今思うに、まずは己の心を守ることが最優先なんかなぁと今は思います。
その意味では嫌われはしたけど小生の行動は己の心を守る意味では効果的だったんじゃないかな。
しかし、副次的な己の傷つきや他者への傷つけは多々あったし、最善でも何でもないですが。
兎に角、死別後はしっかりと亡き人を偲び悲しむ時間を作ることが大切なんだろうなぁと、今作品をみて感じました。
偲ぶことは、内省することにも繋がるし、常に正しい方向に向かうように修正することが、おのずと魂を磨き、心を高めることに繋がる。
それが先に往った人への念仏と同じくらいに本来の供養にも繋がるんやろうと思います。
しかし、どれほど心が綺麗になったかを目で見ることは出来ない。
しかし、そういうことを重ねるうちに、人格が変わってくるはずやと小生は思いたい。
芥川龍之介が次のような言葉を残しています。
『運命とは、その人の性格の中にある』
小林秀雄ってオッサンは、
『人は性格に合ったような事件にしかでくわさない』とも云っている。
人格が変われば、心に抱く思いも変わってくる。
すると、その思いが生み出す出来事も、自然に変わってくる(認知行動療法てのもこないな考えから来てるんやろけど)
今作品はこないな事を描きたかったんかなぁと感じましたし、ホロリと来た短編映画でした。
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