あお

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のあおのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

やはり興味深いのは三島と芥の論戦。一見したところ、飄々とした態度の芥に軍配が挙がるように見えるが、彼の論理が破綻していることは(少なくとも現代の視点から見れば)明らかであり、そうした彼の態度こそが全共闘の論理的矛盾を一挙に体現していたように思う。50年後のインタビューに応える現代の芥は、未だ無時間的な「解放区」の有効性を確信しており、「おれの世界」を語ることによって、今なお60年代末期の熱情を生きているかのようである。
いずれにせよ、三島も全共闘もその後まもなく「最期」をむかえた。成功か失敗か、という問いはそれこそ無益な二項対立に基づいているのだろう。むしろ彼らがそこで何を夢想しえたのかについて考えたい。
あお

あお