ユージーン

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のユージーンのレビュー・感想・評価

4.1
演出やナレーションの安っぽさはいただけなかったですが、当時の生の声、映像が観られただけでも満足できます。

三島氏の語り口、ユーモア、内容のかみ砕き具合には、とても好感が持てました。また、相手を貶めようといった意思もなく、ただ自分の考えを言霊に乗せて集まった学生たちに聞かせる、といった姿勢にも、心惹かれるものがあります。会の主催者である木村氏が、論敵である三島を先生と思わず呼んでしまった気持ちもわかります。

一方、芥氏は、登場時からカリスマ性はとにかく感じましたが、言っていることが全体的に抽象的(観念的?)で、わかりづらいばかりでした。あまり根本的な問題については語らず、相手の言葉尻ばかりを追い回している感じがして、聞いている分には楽しめました(この映画の一番の見どころでしょう)が、うん、まあ、はいはい、と言いたくなるような方でした。