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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のmoneのレビュー・感想・評価

4.2
当時物理的な戦闘状態に置かれていた大学において、言葉を介して展開された日本国民としてのイデオロギーを巡る戦いを、熱量と緊張感そのままに迫ることのできる良質なドキュメンタリーだった。インタビューや解説も充実していて全共闘時代をリアルタイムで知らない私たちのような世代にも分かりやすい。

東大生たちの質問に威厳を持ちながら、しかしユーモアを交える三島のバランス感覚には脱帽。質問内容に対し、さらに二歩三歩進んだところを見据えながら話す三島の姿からは、人柄とそのカリスマ性がたしかに画面を通して伝わってきた。

個人的に議論という思考・論理化・言語化における瞬発力が求められる場はかなり苦手なのだが、あの一触即発状態の場で繰り広げられた生きる命題とプライドをかけた議論の応酬には最早見惚れる。中でも芥との応答は見応えあり。
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