あ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のあのレビュー・感想・評価

3.5
学生と三島が話している内容はほぼ分からなかった。
しかし、眠くならないし退屈でもなかった。
恐らくあの講堂にいた人達の熱量が伝わってきたからなのではないか。

学生とのやりとりからコミュニケーションの本来の取り方ってこうなのかなと思った。
完全アウェーかつ学生が闘志剥き出しの状態にも関わらず、まず一言目は相手を尊重して否定から入らないし、自らの権威とか知識量を使って圧をかけようとしない。
ただ自分の考えを踏まえて相手と自分の考え方の差をアウトプットさせるのに終始していたように思える。
それは相手を自分と対等だと認め、真っ向から受け止める覚悟があったからこそ出来たことだと思う。
自分に対する自信と他人に対する優しさがなければ出来るものでは無いだろう。

三島由紀夫のことはこの映画以外ではどんな人物で何をしたのか知らなかった。
しかし、映画を通してこの人は人間の信念と行動力を心から信じている人なのかなと思った。
そりゃあ武力や権力に任せて他人を従わせて意のままに操る方が簡単かも知れないがそれじゃあ瞬間的な爆発力にはなっても継続して効果は発揮しない。
それを踏まえてリーダー自ら矢面に立って国のために戦っていたのではないかと思った。

自分だけの力じゃ何も変わらないからと思考停止するのではなく、もっとより良い世界になるためにはどうしたら良いのかきちんと自分の頭で考え、行動して行くことの大切さを考えさせられた。
今は他社に人生を委ね過ぎているかなと思った。
あ