違う立場に居る人間に言葉は力を持って届くのかといった言葉の有効性について考え込んでしまった
私たちは同じ言語を共有しているけれど、ひとつの単語に紐づけられた感情も付帯する意味も人それぞれであり、本当の意味で言葉を共有し対話することなど不可能なのかもしれないなと感じてしまう、それでも人は届けること伝えることを諦められない生き物なのだろうなとも感じたり
相手を主体性のある他者であると認識するからこそ対立し戦うといった理論にはなるほどと頷いてしまったし、「イマージュを事物で乗り越えるときそこに空間がうまれる」という言葉を自身の中でもう少し咀嚼したいと思えた
けれど、やはり討論会という名目なので右翼左翼の二項対立的演出を感じてしまう部分もあり、そんな簡単に思想を二分することも、活動しているあらゆる人々をそれぞれに収斂してしまうことも不可能だよなと改めて考えたり、あとはどちらもかなり過激派ではあるのでなんとも言えない心持ちで見つめてしまう瞬間も多かった
ただ、誰もがもっとこの国は良くなるはずだと信じ、そのためにと力を言葉を行使して戦っていた様子には素直に感銘を受けてしまったな、冷笑的かつ厭世的な態度が蔓延る現代社会からは考えられない光景だった
当時の時代背景を知ることが出来て興味深かったし、最近手に取っている作品と繋がる部分もあって楽しかった