加登魁修カドカイシュウ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の加登魁修カドカイシュウのレビュー・感想・評価

5.0
おもしろかった!!!!!

劇中で『言葉が力を持っていた最後の時代』といったようなことを言った人がいて、その通りだなーと思ったし、この映画が伝えようとしていることはソレなんだろうなと。

SNS時代、兎に角分かりやすく刺激的な言葉がバズって広くリーチしてしまう。右も左もその言い方ちょっと強過ぎないか?と思うこともしばしば(直前に右,左という言葉を安易に使っている、この映画を観たらその言葉で簡単に表現できるものではないなと痛感したが、便宜上)。

『全て満ち足りていて、満足です!!文句なんか全く無いです!!』っちゅー人は今も昔も絶対いるはずもなく、右の思想をかりて活動する人、左の思想をかりて活動する人、好転することをただ祈る人etc...それぞれやり方は違うけど『今に不満がある!!』という根源は同じなんだなと。
根っこの部分が同じなんだから対話を行えば、何か伝わること,分かってもらえることがあるんでなかろーかと単身敵地に赴き、丁寧な言葉を紡ぎ、爆笑もかっさらっていく三島由紀夫。格好良かったなー

三島由紀夫さんのことを僕はこの映画で初めて知ったので、彼の思想の芯食った部分はまだ全然知らないから、同意も否定もないけれど、彼の言葉を強く信じる姿勢,言葉の操り方は兎に角格好良く、そこは猛烈に支持したい。

ブロックもミュートも糞リプもできない時代(映画を観てたら、それに近い行動をとっていた人もいたが、ちゃんと顔と名前があった)言葉を巡る環境は今よりも遥かに豊かで。
何もかも昔に戻って欲しいとは思わないけど「言葉」に関してはこの時代の力を取り戻して欲しいなと強く、強く思いました