まや

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のまやのレビュー・感想・評価

4.3
フライヤーの言葉通り「圧倒的熱量」を体感。三島由紀夫も東大全共闘も反知性主義を標榜しながら両者の思想はどちらも反米愛国主義が根幹にあるという矛盾が面白かったのは置いておいて、「他者を主体として認識してこそ闘争が生まれる」故に暴力(闘争)を否定しないという三島の一貫した思考、時間や関係性を一切断ちたい全共闘と時間軸を意識する三島の対立など興味深いトピックしかなかった。
現在大学(院)機関に在籍している学生の身として、あの頃の学生達の血の気の多さ、反骨精神、暴力と言葉によって社会を変えられるのかもしれないという希望と情熱に溢れた姿は(語弊があるけれど)羨ましく感じる。三島がこのSNS時代/個人主義時代を見たらどう感じるのだろうか。
ドキュメンタリー作品としてバランスの取れた撮り方に好感を持てたし東出昌大さんのナレーションも良かった。三島作品は『仮面の告白』しか読んだことがないのでこれを機に色々読みたい。
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