ししまる

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のししまるのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

見た。
私の貧困な語彙を多少豊かにし、浅薄な知識を深めることができた。
すごい記録だし、当時のことを当事者に聞けなくなるのはそう遠くない未来だと思われるので、見て損はない。編集がうまくて、解説とかインタビューも挟まれることでわかりやすくなっていた。でもそのぶん演説の映像は断片的だし、深い!というよりこの映画を見てもっと調べようって感じの映画だった。
字面で全共闘〜とか言われるのと比べて、こうやって映像で見るとあーこういう学生いそう!という体温を感じる(?)感触が良かった。


以下、だらだら感想
熱と敬意と言葉、は確かにわたしの世代から失われているが、結局イデオロギーが殺戮しかうまず、なんやかんやなんとなく力と金の欲望と欲望の資本主義が生き残った世界で生まれたので、どうしようもできんということしかできん。
でも、結局正義も、イデオロギーも、なんにも実効性を持たないという相対主義を極めたふりをした単なる思考停止が、今最も問題だと思うので、端々の言葉が印象に残った。

天皇制に関して、自分は全くなにも期待していないし無理があると思っているが、三島の考える天皇の機能の面では共感?した。日本のしもじもへの影響力うんぬん。でも彼の期待する天皇を出現させるのはやっぱり無理だしファンタジーじゃんと思った。このへんもう少し知識を深めたい。
現代人が架空または現実の人間を「推し」として非現実化し、それに同一化またはそれを崇拝することで救済を得ようとしていることを考えると、まあ観念上の三島にとっての「推し」という感じだった。
全共闘も三島の天皇主義も本質的には反米愛国主義という言葉が印象に残った。
わたしはそんなに真面目に自分の国愛せないな。
ししまる

ししまる