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わたしはダフネのKUBOのレビュー・感想・評価

わたしはダフネ(2019年製作の映画)
3.6
『わたしはダフネ』cocoオンライン試写会にて鑑賞。

まず、主人公ダフネを演じるカロリーナ・ラスパンティがかわいい! 私はダウン症に詳しくないが、ダウン症に重度とか軽度とかあるのかなぁ? あのダウン症に特有のちょっとつり目の顔じゃない。とってもチャーミング!(どうやら1984年生まれの37歳のようなのだが、10代でもおかしくない。ビックリ!)

ダフネは仕事をもって働いている自立したダウン症の女の子。優しいお父さんとお母さんと幸せに暮らしていたのだが、大好きなお母さんが突然亡くなってしまう。残されて失意のどん底のダフネとお父さんは、お母さんの生まれ故郷を目指して、徒歩での旅に出る。

ダウン症の女の子と年老いた父親とのバディもの。母の故郷にたどり着くまでも、心優しい人たちと出会い、2人の旅は優しい気持ちに満ちている。大きな事件や過激な出来事は起きない。

今までダウン症を描いた映画と言えば、あの名作『チョコレートドーナツ』や『ピーナッツ・バター・ファルコン』などがあるが、どちらもダウン症であることが特別なこととして描かれていた。片や「かわいそうな子ども」であり、片や「常識はずれの大冒険」であったのだが、本作ではダウン症の女の子は特別な存在ではない。

監督のフェデリコ・ボンディは「障害をエンターテインメントとして扱わない」と言っているが、今までどうしても「特別なこと」として扱いがちだった障害を持つ人を、ここまで普通に描いちゃった映画を私は知らない。

最初はダフネを守る気だった初老の父親が、映画の終わりではダフネに守られていたりする。そんなところがこの作品の優しくて素敵なところだろう。



*ダフネの着てるTシャツ。胸のところに手のひらがプリントしてある、かなりセクシーなTシャツなのだが、その昔、遠足の日に同じようなTシャツを着てきた女子生徒がいて怒った覚えがある。ダフネ見て思い出した。
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