吉倉光希

耳をすませばの吉倉光希のネタバレレビュー・内容・結末

耳をすませば(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

実はちゃんとはジブリの「耳をすませば」を見たわけじゃないんだけど、だからこそ、「図書館ストーカー(言い方)」くらいしか知らないからこそ、逆に今見るべきかも、と思ってみに行きました。

結果としては、私としては結構満足でした。
私の邦画の好みがいまだにわからないんだけど、これは好きだったなぁ。
3割くらい松坂さん目当てだったけど……(笑

ちょこちょこわざとらしいかな?というシーンはあったけど、ローファンタジーを散りばめてる以上その辺はご愛嬌なのかもしれない。

聖司くんは側からみれば大成功だけれど、あの選択をする以上本当は彼自身は心が震えていなかったら楽しくなかったんだろうな、というのはあるよね。
「久しぶりに楽しかった!」
この言葉がどうしても引っかかってたら、やっぱりそういうことだった。
これって周りにはわからなくて、本当に本人にしかわからないこと。
地位と名声を手に入れても、手に入らないものってあるよね。

対して雫は「あーわかる」という感想。
25歳。まだまだ自分の思いと社会のしがらみとの折り合いをつけるのが難しい時期。
でもだからこそ、「これ面白くない」と正直に言える編集って、心配されていくんだろうなぁと思ったりした。
もちろんね、頭ごなしの否定ってよくないんだけど……「いいものを作りたい」「作品をよくしたい」という思いが先行した「これ面白くない」は「どこが面白くないか聞きたい」に変わる。信頼関係の問題。
この辺がわかるようになったのは、私も大人になったのかな。

最初は途中までの話で終わると思ってたので、「これはこれで綺麗だなぁ」と思って手紙の朗読、聖司くんの演奏を聴いてうるうるしてたらこれだよ!
あの男を舐めたらいけなかった。笑
みんながあの2人大好きなんだなぁというのがめちゃくちゃ伝わりました。でも、あの書き方だと本当に別れたのかちょっと疑問だね。あの女がかき乱しただけだったのでは。その辺はもう少し描写あってもよかったかも?

個人的にはちゃんとスマホが出てこなかったことに感動してました。笑
うる星やつらといい、ちゃんと時代に合わせてるの素晴らしいよね。
私は「翼をください」で大正解だったと思ったなぁ。

素敵な映画でした。
忘れていた何かを思い出せる作品だと思う。
吉倉光希

吉倉光希