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耳をすませばのmofaのレビュー・感想・評価

耳をすませば(2022年製作の映画)
2.8
【アニメが数段面白い】

実写版が松坂桃李様・清野菜名さんで、
どちらも好きな役者さん。
バイオリンづくりをしてる松坂桃李さんて、めちゃくちゃ、ハマってそうじゃないですか?「バイオリン職人の松坂桃李」ありきだったんですよね。
いや、普通に観れたし、ジブリ原作にけっこう忠実だったから、あのシーンだ!このシーンだ!って、面白くもあったんですけど。

私の個人の好みなんですけど。
「耳をすませば」の好きな点は、
・バイオリン職人
・カントリーロード
・2人のピュアで真っすぐな想い
なので、正直、しょっぱなから、
この大きな柱2つが、消え去っている・・という事実に直面するワケなんですね。
この作品は、カントリーミュージックとバイオリンの木。
そして、なんの修飾もされていない恋。
 これらが、物語全体に素朴な匂いと、懐かしさを与えていると思うんです。
だから、「耳をすませば」の実写として、成功しているかといえば、していないと言ってしまいたい所なんですけど。

「翼をください」が悪いワケでもないし、
松坂桃李様のチェロ弾く場面は素晴らしかったし。
それはそれで、嫌悪感もなく観れたんですね。
でも、それだけかな・・・と。
物語としても、過去を入れ込んだから、1999年の二人の関係は浅いし、
まともに会っていなかった2人が結婚とかって、ちょっと、現実味がないし。
 
杉村も夕子もきちんと大人になっている感じなのに、雫だけは、大人になっていない。その感じのまま清野菜名さんが演じるから、キャラと顔が一致しない。
 あの年で、あんなキャラを演じろと言われて、ちょっと、痛々しい感じがしたかなぁ。

 バイオリン職人というのが、この作品の絶妙な選択であったはずなのに、
それをチェロ奏者としてしまうのは・・・・何故なんだ??と思えるんだけど。中学3年で、おじいさんの伝手で修行に行くという設定だからこそ、
聖司の魅力の付加価値になっているんですよね。バイオリン職業に真摯に向き合うからこそ、同じように、自分の想いにも向き合う。だから、
あの丘の家での雫への告白が、こう胸にギュッとくるんですよね。

ただ、松坂桃李様の演技が上手でね。
チェロ奏者にしても、それなりのストイックさを表現出来ているから、
私も、あまり文句は言えないんだけど。
 この辺り、演じる人がイマイチだと、
ただの金持ち坊ちゃんになりかねないんですよね。

でも、やっぱり、イタリアに行ったなら、
英語ではなく、イタリア語で話すべきだし、そうしてこそ、ストイックさや本気度が表現出来たんじゃないかな・・と
残念な気持ちでした。

 あとですね。
あのイタリアシーンは、ロケなんですかね?めっちゃ、セットみたいな雰囲気で、
全然、イタリア感がなくて、びっくりしましたけど。
 ロケなら、ホント、どんな撮り方やねん!!とちょっと、
勿体なさ過ぎますよね。
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