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タルテュッフのkyokoのレビュー・感想・評価

タルテュッフ(1925年製作の映画)
3.7
祖父の遺産を狙う性悪家政婦。役者である孫は、夫を洗脳した偽聖職者と戦う妻を主人公にした映画を使って、祖父に真実を伝えようとする。
ムルナウが「映画は人を救う」を実現させようとした、かなりチャンレンジャーな内容だけど、作品のほとんどを占める劇中劇の話自体はそこまで面白いわけじゃない。
見どころは、喜劇的雰囲気を醸し出していたタルテュフの、一瞬にして下劣さを全開させたエミール・ヤニングスによる見事な面変わり。家政婦のなかなかの顔遣いといい、これこそが顔でモノを言わせるサイレント映画の醍醐味と言える。

今でいう「偽善者」とはニュアンスが違う。タルテュフはマインドコントロールに長けた詐欺師といったところか。
マインドコントロールといえば、最近なぜかネットを見ているとやたら「北九州監禁殺人事件」の記事が流れてくるけど、読むたびに震えている。
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