odyss

モールスのodyssのレビュー・感想・評価

モールス(2010年製作の映画)
3.8
【リメイクのこちらが秀逸】

ハリウッドのリメイクということで、オリジナルの『ぼくのエリ』との比較で論じる方が多いようです。それでいくと、私はこちらの『モールス』のほうがよくできていると思いました。

『ぼくのエリ』のほうは、少年をやたら裸で映したりしてヴァンパイアの映画と言うよりはボーイズラブの映画かと思われたこと、筋の展開があまり緊密ではなく間延びしていると感じられる箇所もあったことなどから、さほど感心しませんでした(詳しくは『ぼくのエリ』の私のレビューを参照)。

その点、こちらの『モールス』は脚本が十分練られていますし、少年と少女の微妙な愛情もよく伝わってきますし、北欧とは違い雪が当たり前ではない地域で作られたためか、むしろ雪を効果的に用いて北国的な雰囲気をうまく出していますし、音楽の使い方も巧みで、映画作品としての仕上がりは断然こちらが上かと思いました。

ただ、キャスティングはどうですかね。少年役のコディ・スミット=マクファーはよかったけど、少女のクロエ・グレース・モリッツは、先の『キックアス』でブレイクした感があるけど、ちょっと私の好みとはズレてるんですよね。もう少し私好みの少女だったら、もっと評価を上げるんだけどなあ。
odyss

odyss