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カイル&マイク 俺たちの人生は上り坂のGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
男同士の友情、結婚、家族などに対する洞察を描いた映画?なんですかね。

マイクは趣味のサイクリングに親友のカイルを誘う。運動不足気味のカイルは、着いていくのがやっとだけど、「結婚式の前に痩せられる。やっぱりお前はベスト・フレンドだ」と喜んでいる。そんなカイルに「実は、アヴァとずっと寝ていた」と、カイルの婚約者と淫行していたことを告白するマイク・・・。

車を運転していて怒り出したらとんでもないことになりそうですが、これが自転車なので、絵的に笑える。こういうオフビートな感じがずーっと続く映画です。

どうもカイルはお人よしで、マイクは自己中みたいなんだけど、親友同士って、はたから見ると「なんであんなに仲いいのかね~。利用されているようにしか見えない」と、カイル側に同情するみたいなケースあるじゃないですか?そんな感じなんですけど、私はどちらかと言うとマイクのタイプなので、観ていて反省しまくってました(笑)。

カイルはアヴァに「マイクと寝ていたのはわかった・・・。でも、僕のこと愛している?」って訊くと「もちろんよ!」と言う。でも「僕と結婚本当にしたい?」と訊くと「うっ」と詰まる。

これって結構あるあるだよな~。で、アヴァは結局マイクと結婚してしまう!!

だけどアヴァはそれから数年後に病気かなんかで亡くなってしまう。それでマイクはうつ病みたくなり、絶交していたカイルの方は、新しい彼女(メリッサ)を見つけ、その娘と結婚することにする。

やっとカイルが幸せになれると思いきや、カイルのお母さんはメリッサのことあんま好きじゃなくて、カイルの嫁さんを奪ったことのあるマイクをクリスマスに招待してしまう・・・・

サンクスギビングにカイルの家族が集まっている様子がすごいリアルなんですけど、ドライブウェイに停まっているたくさんの車に枯れ葉が落ちる秋(サンクスギビング)から雪に変わる(クリスマス)という見せ方にするところとか、そこから家をぐる~っと回って、裏口に出てくると、なぜかたった一人だけ黒人の友達(妹の彼氏?)が、裏口から出てくる人みんなに黙ってタバコを上げるところとか、すっごいリアル!!ああいうホームパーティみたいのでは、スモーカーはみんなにたかられる。普段吸わないけど、パーティの時だけ吸う人に・・・。

こういう描写がリアルで面白いのと、なぜかフレンチとウクライナのポップ・ミュージックが使われていて、なんか昭和の歌謡曲みたいで笑える。

最初と最後がサイクリングで終わるんだけど、「男の友情は結局変わらない」みたいな比喩なのかなあ。この全く成長しない感じが可笑しいのか。

私は、マイクがカイルの結婚の邪魔をするのは、実はゲイなのかな?なんて思ったけど、「愛」の形は必ずしも性的な要素があるとは限らなくて、「ベスト・フレンド」の方が「彼氏、彼女」より愛し合っているとしてもおかしくはないなって思った。愛のカタチって多様化しているから、男同士が離れられない関係だとしても、だからゲイってわけでもないのかも。
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