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パピチャ 未来へのランウェイのArbuthのレビュー・感想・評価

4.0
これは本当にしんどい…。
こないだ観た『キム・ジヨン』が優しく見えるほど、苛烈で無慈悲な世界。いや、セクシズムでこんな生命を脅かされる危険に晒されることってある⁇とにかくショッキングの一言。
これが実話を元にしていると言うんだから救われない。イスラム教圏、この手の話は腐るほどあるんだろうな… ※イスラム教全体ではなくてあくまで一部の原理主義者だとは思う。

話が進むにつれてどんどん辛くなるんだけど、その中でも強さを失わない主人公ネジュマ達の姿に唯一救われる。彼女達は“パピチャ”、愉快で魅力的で常識に囚われない自由な女性。どんな理不尽な圧力にも負けない。布一枚で戦う強さ。この国の希望。「私達は負けない」という監督の強いメッセージ。
アルジェリア当局がこの作品の公開中止を判断したのは悲しい。完全に逆効果だと思うんだ。

日本とか東アジア圏の映画だと、女性は理不尽な扱いに対してグッと耐えて黙ってしまう姿が描かれることが多いように思うので、ネジュマのこの気丈な姿勢は新鮮だった。お国柄かな。
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