ねぎ地獄

パピチャ 未来へのランウェイのねぎ地獄のレビュー・感想・評価

4.0
🎥あらすじ:
1990年代、内戦中のアルジェリア。イスラム原理主義により、街ではテロや暴行が頻発している。女性はヒジャブを身につけて頭や身体を覆うよう呼びかけるポスターが道、学校などあらゆるところに張り出される。ファッションデザイナーになることを夢見る女性大学生のネジュマは、女性に自由がないことを嘆き、怒り、身の危険を冒してでもファッションショーを開くことで自分の夢の一歩を踏み出すこと、そして女性の自由を求めることを決意し奮闘する。

✍️感想とその他メモ:
3/8が国際女性デーだったこともあり、週末は「女性が活躍する映画を観よう」ということで何作が鑑賞したうちの一作です。

まず大変恥ずかしいことにそもそも舞台となるアルジェリアがどこにあるのかいまいちわからず調べてみると、アフリカ大陸の北、モロッコの隣で海を挟んだ先にはスペイン、フランス。そしてアフリカ大陸で最も領土が広く、なんと世界でも10位。1991年から2002年頃までは、政府軍と複数のイスラム主義の反政府軍によって「暗黒の10年」と言われる武力紛争があった。

本作では、ムニア・メドゥール監督が実際にこの紛争で経験したことをもとに描かれているそう。だからこそ、日常的で発生する小さな弾圧の痛みや苦しみも伝わってきたのだと納得。例えば、不安や緊張を鎮静させてコントロールしやすくするために、女性寮では臭化カリウム入りの牛乳を飲まされることや、ベールを被れと脅されること。

こうしたとても悲しく信じがたく、何度も自分を失いそうになるような出来事が起こる中でも、ここは自らの国だからここで私は戦うというネジュマの真っ直ぐな思い。ウェス・アンダーソン監督の『フレンチ・ディスパッチ』にも登場するリナ・クードリが素晴らしい演技をみせています。
とてもとても苦しいですが、信じること、声を上げることの重要性を再認識させられる作品でした。

監督のインタビュー記事も大変興味深かったです。
Fan’s Voice, 「【単独インタビュー】ムニア・メドゥール監督『パピチャ 未来へのランウェイ』はアルジェリア内部からの“証言”」
https://fansvoice.jp/2020/10/30/papicha-mounia-meddour-interview/ふ
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