このレビューはネタバレを含みます
暗黒の10年と言われた1990年代のアルジェリアを舞台とした女性たちの物語。
「女性である」というだけで自由に生きれない世界で夢を持つことの大変さ、好きなように生きようとするだけで命を狙われる理不尽さなど、日本版ポスターの鮮やかさとは正反対な現実がたくさんあった。
宗教的な要素が含まれる映画を見る度に思うが、信仰心というものはどこまで正義になるのか。ネジュマの「無知な人が信仰心を振りかざして暴走している」という言葉のように、自分の正義が必ずしも他人の正義とは限らないと思うが、人それぞれ正義を持っていてそれを分かり合えないから難しい。
監督の経験を踏まえて制作されたこの作品は、当時のアルジェリアの現実の1部でしかないのかなとも考えてしまう。
自分だったら国を離れたいと思ってしまうけど、ネジュマにとってはアルジェリアという国で夢を持つことに意味があったのかもしれない。
ファッションショーのシーンが本当に素敵だった。
念願のショーが実現しても、残酷な現実に壊されてしまうことが無念で仕方なかった。
