桃子

グランド・ジャーニーの桃子のレビュー・感想・評価

グランド・ジャーニー(2019年製作の映画)
4.6
「是非大画面で」

たしか「WATARIDORI」は映画館で見たような気がする。大画面で見たから印象に残っているのではないかと思うが、私の記憶は超がつくくらい脆弱なので請け合えない(^_^;) レンタルビデオで見たのかもしれないが、覚えているのは渡り鳥と一緒に空を飛んでいるような圧倒的な迫力ある映像である。
その映像を作り出した人物、クリスチャン・ムレクがこの映画のモデルとなっている。実話に基づいてはいるものの、ムレクは脚本を書くにあたっては「フィクション」を意識したという。ドキュメンタリーはたしかに迫力があるけれど、一般ウケはしない。大勢の人の心をつかむには、やはり多少は誇張されたフィクションがいいのだと思う。
監督のニコラ・ヴァニエは、恥ずかしながら初見だった。ドキュメンタリー映画も見たことはない。冒険家で写真家で小説家でもあるという。なんて多彩な人なんだ~ アルプスを舞台にした「ベルとセバスチャン」は是非とも見てみたいと思った。撮影にあたって、知り尽くしている場所なのでロケハンをしなかったというから驚きである。
クリスチャンを演じているジャン=ポール・ルーヴは、「赤い手帳」で好奇心旺盛の小説家を演じていたのが記憶に新しい。「ダリダ~甘い囁き~」にも出ていた。もうさすがにしっかり顔を覚えていたので、待ってました!という感じだった。博物館に勤める気象学者で、鳥類保護活動家。思い切り渡り鳥に情熱を注ぐ主人公を好演している。
そう言えば、ヒッチコックの「鳥」を見たとき、なぜか鳥類学者の老夫人が登場して「世界中で8650種類、推定でアメリカだけで57億5千万羽、地球上に千億羽は居る」という台詞をしゃべっていた。鳥の数は多いけれど、絶滅も多い。人間のせいで、どんどんいなくなっている。最近は、昔は普通にそこらじゅうにいた雀もあまり見かけなくなった。カラスばっかり…(^_^;) 鳥は苦手という人は多いかもしれない。でも、私は飼ったことはないけれど大好きである。その理由は、「鳥は恐竜の子孫だから!」。鳥を見ると、よく「恐竜の子孫、頑張ってるなあ」なんて思うのだ。
1000人以上の中からオーディションで選ばれたというルイ・バスケス君。可愛い!!トマは難しいキャラだと思う。よく演じている。このコも将来有望だなあ。
映画に登場する雁たちが、実に可愛らしい。1羽だけ間違って種類の違うコが紛れてしまい、大きさも体色も違うのだ。その「アッカ」が本当に愛らしくて、これは私のツボだった。
私は試写会に当選してPCの画面で見ることができた。ただ、小さい画面だったので雁たちが空を飛ぶ雄大な景色を堪能することはかなわなかった。これから見る人は是非とも映画館の大画面で見て欲しい。
桃子

桃子