【月夜】
あにめたまご2020の2作目。
ドラえもん長編も手掛けている寺本幸代監督ということで安心感がある。
おてんば娘のレベッカが家庭が苦しいため口うるさい叔母のミランダのもとに預けられるお話。
絵のタッチが世界名作劇場のそれ。
怒られるとわかっていて少しは気をつけながら行動するんだけどそれでもまだミランダとの約束を完璧に守れないレベッカ像は典型的な子供の姿。他方で、全てに完璧を求め何から何まで大人のような人間を子供に求め口を出すミランダはある種老害的な部分もある。
しかし、ミランダのおかげでレベッカ自身が成長できていたこともまた事実であり、アプローチとして正しいかはさておき昔の人間の教えが人間の成長につながるという一面もある。
事あるごとに(姉でしっかりしてると思われる)ハンナを預かればよかったと誰かを引き合いにだすミランダもまた人間として完璧ではなく他人にそのことを諭される存在という点が描けていることも評価できる。
まだ幼く心細い環境の中でなんとか必死に生きようとするレベッカ(怒られて泣きながらでも表の階段を使わないという言いつけを守るシーン)にも心を打たれる。
たしかにミランダだけが近くにいてはレベッカは潰れてしまっていたかもしれないが、ジェーンおばさんや近くに住むおじさんがとても優しく、心のよりどこりになっており、結局は人と人とで社会が成り立っていることもよくわかる。
※エクレアという名のデブ猫が可愛い。
4月30日まで
2020.4.27