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マリグナント 狂暴な悪夢のpenのネタバレレビュー・内容・結末

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最初からカメラが縦横無尽に動く予感を抱かせ、実際その通りに動き回る。ある時はガブリエルの眼になり、ある時は神の視点のように天井からの俯瞰ショット(最高)になったり。銃砲を中心にカメラがズームアップする画面に、アクション映画の文法を感じて堪らない。
と同時にミステリでもあるよなと。誰が連続殺人鬼なのか? イマジナリーフレンドを模した何者であるのか? は予測不可能な結末に進むが、言葉で説明されると首を傾げるかもしれないが、映像でこうなるんだよ! と強く説得された気分。

ホラー映画の演出としては記録映像の使い方が好み。旧世代メディアのVHSを使うところで(意識したかどうかはともかく)Jホラーの風味も感じて好き。

高層ビルが並ぶ今の時代の街の地下には、旧市街の街並みは壊されることなく眠っている。その街の構造がマディソンとガブリエルの関係性に重ねられているように思えた。
妹が姉の過去を探る為に病院跡を訪れるが、そこでも過去の資料は地階にある。過去と現在が地上と地下の関係によって分けられていることが繰り返し表現されている。
マディソンの実母は上から落ちてくるが、あの屋根裏が老朽化しているように見えたので、過去からの不意打ちの表現と受け取った。

刑事とガブリエルの追跡で過去の街並みが残る下へ向かった時、足元が霧で立ち込めて見えず、馬車? がある。ここはゴシックホラーの記憶が眠っているのを表しているかな、とか(ナイフと赤いネオンライトも多分そういうのある)。

留置所で袋叩きに遭うけど、あまりにもコッテコテの絡み方ではないか。妄想かと思ったが恐らく本当に起きた出来事として描写されたのだろう。そこがどうかなと。そもそもその辺りからジャンルがまた変わるので、そのきっかけだったのかもしれない。
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