April01

マリグナント 狂暴な悪夢のApril01のレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.8
怖いんだけど、時々笑える。

検視官の小さなジョーク。
残業のイケメンは俺だけかと思ったという捜査官。
同僚の女性捜査官に残業でグロい写真見続けで彼氏に謝らなきゃ云々。
男性捜査官ケコアとヒロインの妹のアイコンタクトに対して女優の卵に尻尾振って云々と女性捜査官レジーナがからかったり。
極め付けはヒロインの記憶で描いた犯人の似顔絵を見て「グーニーズ」のスロースを手配するの?とレジーナが言うところ😆

その直後の残忍な死体発見など、ユーモアと恐怖のメリハリがあり、ギャップが恐怖を効果的に演出。
地下案内でのジョーク交えたトークに対して、その後の恐怖体験も同じ効果が出ている。

家の中でヒロインが逃げ回る時の上から俯瞰したカメラワークが良い。
建物の全体像を捉えた画がピシッピシッと決まって静謐な美しさがある。
内装もクラシックなインテリアで細部に渡り丁寧な作り込み。

画面の切り替えがうまく、説明がくどすぎない。
何?と思いながらもこの手にありがちなストレスを感じない。
わからないながら、で?という場面で次ステージへ進むべく暗転して画面、場面を切り替えてるところが上手。

不思議なのはヒロインカップルはなぜこんな豪邸に住めてるのか。
序盤で夜勤の話しがあったけど旦那は無職の酒飲みDVときているから余計に気になる。

さらにケコア捜査官がどうなったのかが気になるし、脳内にまだ残っている状態でヒロインは完全に自由を獲得できたのか、バッド・エンドな方に想像を膨らませることも可能な終わり方に不思議な余韻が残る。
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