ねこねここねこ

マリグナント 狂暴な悪夢のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ある意味新しいジャンルのホラー?
妊婦のマディソンは何度も流産している。今度こそ産みたいと体調が悪くても頑張る彼女に夫は冷たく、暴力まで振るう。その後から始まるおぞましい事件。
漆黒の殺人鬼?悪魔なのかバケモノなのか、電気を操っているらしいそれは夫を虐殺。凄惨な事件を捜査する警察は、強制侵入の痕跡がないことを不審に思う。
一方また流産(死産?)で悲しみに暮れるマディソンを励ます妹シドニー。
退院して自宅に戻ったマディソンが夜な夜な見る悪夢はもはや夢とは思えないほどの臨場感。なぜか目の前で見せられる殺人、そして目が覚めると夢で見た殺人が実際にその通りに起こっている。
自分に何が起きているのか、次第に解き明かされるマディソンの精神科病院時代の過去。

少女時代のマディソンの空想の中でのガブリエルという存在が実は寄生性双生児の片割れ、夫が殴った衝撃で蘇り、自分を悪性(malignant)腫瘍として排除しようとした者達を次々と殺してゆくというストーリー。そのパワーといったらとても人間とは思えない。おまけに電気まで操るから怖いものなし。
後半の次々と同じ房にいる囚人や警官を容赦なく殺してゆくところはもう完全にホラーではなくアクションもの。後ろ向きにやってるシーン、大変そうだけど、コートはちゃんと自分の向きに羽織るんだと思うとちょっと笑える。

ガブリエルの存在がやや強引だけど、最初のシーンの伏線回収も出来てるし、まぁいいのかな。血の繋がりとか色々ぶっ込み過ぎてワチャワチャしてるので、もう少しスッキリしたホラーらしいホラーの方が個人的には好きだけど。

それにしても血の繋がっていない妹のシドニーは、ずっとマディソンに献身的であんな廃病院まで一人で行くとかすごいね。それにしてもあんなテープが放置されてたのー?とちょっと突っ込みたくなるけど。

最後はガブリエルを鎮圧したマディソンだけど、いくら寄生されてたとは言え、あれだけの人を容赦なく殺してるのはマディソンの身体だよね。多重人格ならホストが責任を取らないととなるけど、この場合はどうなんだろう。個人的には死刑一択なのでマディソンがちょっと気の毒でもある。

最後は刑事のケイがひとことくらい言うのかと思ったけど、シドニーとマディソンのシーンで終わり。電気が映ってたからあれがパチパチしてガブリエル復活の予兆みたいなバッドエンドなのかと一瞬思ったけど平和に?終わりました。

みんなの評価がかなり高い作品で、確かに面白いんだけど…。まぁ新しいジャンルのホラーなんだね。ホラーアクション?なんか違うな。ところどころグロい。スプラッタというほどではないけど。
ソウとか死霊館の監督なんだね、なんか聞いたことあるなと思ったけど、色々散りばめてるところはソウに近いのかな。
もっと単純なホラーの方が個人的には好きかなと思う。作品の長さ的には100分ほどだから丁度いい。