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ミナリのakinaのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.0
オンライン試写で。

ゴールデン・グローブ賞において、ちょっとした話題もあった作品ですが、シンプルに家族の物語として、色々と想いを馳せられる作品でした。
(A24配給というところでは、ある意味『フェアウェル』の感じ)
あと、広大な自然の中で暮らしているということで、景色がめちゃくちゃきれい。

韓国からアメリカ・アーカンソー州に移住してきた家族の物語で、
夢のため楽天的でやや身勝手な夫と、現実的でそんな夫が辛抱ならない妻。
心臓に病気を持つ息子は、韓国からやってきた祖母に対して「おばあちゃんらしくない」と言い放ったり、
韓国人がアメリカの地で暮らすことでそれとなく感じる差別や、信仰による違い、など人種、性別、信仰や価値観、あらゆることで人は違う、というのを田舎町の家族という"小さなコミュニティー"だけでも浮き彫りにさせているのが、この作品の意義の一つなのかもしれない。

タイトルの「ミナリ」
韓国語で「セリ」だそうだ。劇中ではどんな料理にも使うことができ、経済的な階層に関係なくみんな
元気になる、と話されている。
それがタイトルになっている、ということも、多様化の時代に何かを投じるという意思を私は感じた。

ブラッド・ピットによるPLAN Bには、そいういう作品も多い印象。
例えば、今作主演のスティーヴン・ユアンも出演している「オクジャ」とかも。

多様化の時代、そして家族が、人が、どう生きていくのか。
ある家族の姿を見て、難しさと愛おしさを感じる作品だったと思います。
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