珍獣

ミナリの珍獣のレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.5
オンライン試写が当たったので見た。

ちょっと故あって最近ひたすら『北の国から』を見返していたのだけど、『ミナリ』はまさに北とは真逆の、アメリカの中でも暑さと戦わなくてはならない地アーカンソー州へ移住した韓国人一家の話だ。だけど、父親のゴリ押しで連れて来られたり、水で苦労したりとどこか似たものを感じる。

両親が勤める工場での、ヒヨコのオスメスを分ける仕事で象徴的に用いられる青色は、劇中でも主に男性キャラクターが身につけるものにも反映されていた。
シャツ、パジャマ、ホースの色など男性が男性たろうとする場面では青色が目立つ。

これほどまでに韓国語と英語が入り混じる映画も珍しい。
自然なやり取りや限定的な人間関係の絶妙な心地よさから大きな起伏を楽しむ映画ではないのかな、と思いきやあのクライマックスにはびっくりした。

そしてまさに本作のテーマといえる「ミナリ」の説明と最終的に行き着くある結末は素晴らしかった。
まさにこの映画は「ミナリ」たちがしっかり根を張るまでを描いた作品なのだ。

走って駆け寄る、家に帰ろうと言うだけでこれだけエモーショナルに、そしてグッとくるとは。
見られてよかった。
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