motoyAlive

ミナリのmotoyAliveのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
3.3
A24×PLAN Bによる韓国系移民の前途多難な生活をリアルに描いたヒューマンドラマ。

《あらすじ》
アメリカ南部アーカンソーの片田舎に移り住んできた韓国系移民家族のジェイコブと妻モニカ、娘のアン、息子のデビッド。ジェイコブはアメリカンドリームを掴むためこれまで貯めてきたお金をトレーラーハウスと50エーカーの土地に注ぎ込み年々増加する韓国系移民に向けた韓国の農作物を育てようとするが、モニカは子どもたちのために都市部での生活を望んでおり、ジェイコブと価値観のズレから衝突する毎日。子どもたちのお世話をするためモニカの母を呼び寄せ、5人での生活が始まるが、果たしてミナリ(セリ)のようにたくましくアメリカの大地に根付くことは出来るのか…。

《感想》
本作は監督のリー・アイザック・チョンの幼少期を半自伝的に描いた作品でもあるので、淡々とジェイコブの家族の日常が映され、ドラマティックな展開もほとんど無く、ここっていう印象的なシーンがあるわけではない。パラサイトのようなエンタメ要素を期待して見ると、うーんとなってしまうかも。個人的にはあまり好みではなかった。

ただ、キャストの演技はとても良く引き込まれた。ジェイコブ演じるスティーブン・ユァン、祖母役のユン・ヨジョン、デビッド役のアラン・キムは特に印象に残る。将来的に子どもを楽にさせたい夫と現実を見て欲しい妻との衝突や韓国育ちの祖母とアメリカナイズされた孫の文化の違いや世代間ギャップはかなり丁寧に描かれていて、演技とともに演出のリアルさというところは見ていて面白かった。

移民という日本人に馴染みの薄いテーマは共感しにくい部分もあるので、おばあちゃんあるあるという目線で見ると映画に入りやすいかも。
motoyAlive

motoyAlive