Misakey

ミナリのMisakeyのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.4
韓国人アメリカ移民のパパが「一生ひよこの分別は嫌だ」と農家に転職する、レーガン大統領時代の苦労話。

主人公?のパパがバーニングだったのと、田舎風景だったので
個人的にはうっすらバーニング感感じた。が全然違う。
違う意味ではバーニングだけど。(書いていて意味がわからない…)

一時期個人的に日系アメリカンの話にハマって
マンザナー強制収容所の資料館に行った。
ミナリのお話も、時代はもっと後とは言え、やっぱりアジア人が移住するのは大変だなぁと。
まずそこで胸が熱くなる。

時間が経過する中で、激しい何かがあるわけではないけども
小さな出来事がじわじわ積み重なったり
薄ーく宗教観とか、コミュニティの在り方とかが被ってきて
家族の価値観の違いが出てきてぶつかり合う。
特にはっきりモノを言う韓国人ならでは?のところがまた良い。
お互いが直接的にぶつかるのが、ある意味リアリティがあって興味深い。
お芝居みんな上手いしね。

それに加え、祖母と孫の妙で雑な関係がまたキーになっていて
この重くなりがちな家族を緩くさせている。それが楽しい。
個人的にはお姉ちゃんが我慢してるんだろうなぁ、と切ないけどね。

最後はもうボロボロ。
まさか自分でも涙が出るとは思わなかったけど、
クライマックスに向かう作りが非常に上手いんだろうなぁ。
子役ちゃん達とユン・ヨジュンの天才的な演技にやられてしまった。

家族が力を合わせて生きる、という事は
誰かが決めて指示するのではなく
お互いが気遣いながらバランスを取っていくことなんだろうな。
と、考えさせられた映画だった。

韓国映画は脚本や演出はもちろんの事、役者の脚本の消化力の高さが素晴らしいね。
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