前髪メガネ

ミナリの前髪メガネのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.0
アメリカンドリームを狙う夫とその一家の農業奮闘映画かと思っていたけどそれだけに止まらない内容でとても面白かった。
移住してきた見知らぬ土地で親切にしてくれる周囲の人々を疎ましく思うジェイコブのアメリカの土地で韓国の野菜を作り売り出すという姿は農作物にそのまま影響が反映されるのは面白い。
タイトルの「ミナリ」は韓国語でセリの事。水さえあればどこでも育つセリは途中から一緒に暮らすおばあちゃんのメタファーに思えた。そもそも近くの川辺でセリを作る事を勧めたのもおばあちゃんではあるけど、ジェイコブ一家に居候するおばあちゃんのその暮らし方、関わり方は水さえあれば勝手に育つセリそのもの。正直鬱陶しく感じるシーンもあるけど根本は“良かれと思って“だから憎めない。とは言っても孫のデビッドの気持ちもわかるけどもw

韓国語で家族が主人公で貧困も絡んでいることから今年の「パラサイト 半地下の家族」と言われているけど、本作はあくまでアメリカ映画でブラット•ピットの制作会社、Plan B制作、配給A24なのでそもそもこの2作を並べることに違和感。内容もザ アメリカンドリームだしで寧ろ国籍を超えたチームでこれほど面白いものが作れたことを評価する方が映画界のこそ先が広がりそう。
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